Academic Fellowship Programを無事修了 2025.10.14

2025年5月、Academic Fellowship Programを無事修了しました。

修了式やスピーチはなく、ただ静かに修了証を受け取って終了。

 

まあそれで十分です。

一年間やってきたことの証なので、金縁の額にでも入れてようと思っています。

 

家族をはじめ本当に多くの人に支えられての修了でした。

感謝・感激、雨、あらし!!初めてではゼンゼンないですが、自分で自分をほめたいと思いました。

 

こちらがその修了証です。

残念ながら大学院などの学位とはいきませんが大きな大きながんばったで賞です。

このプログラム責任者2名には本当にお世話になりました。本当にありがとう!!

プログラム内のINTAPT(Interprofessional Applied Practical Teaching and Learning in the Health Professions) courseの修了生。

この中の誰かと将来どこかで出会って、一緒に仕事をすることもあるかも、、、そんな妄想を抱かせるほど各国からの集合体でした。

 

修了後はいよいよ本番です。

私はトロント大学家庭医学・地域医療部門(DFCM)のリサーチチームで研究員としての活動を始めました。

このチームはINTRePID(International Consortium of Primary Care Big Data Researchers)

(https://www.intrepidprimarycare.org/copy-of-china)を率いており、

世界10数か国から集まる診療情報データを解析して国ごとの傾向を比較分析するものです。

 

日本にいた頃は、多くても数百件のデータを扱い、せいぜい2群間比較。

しかも解析自体は福井大学、某地域医療推進講座の某講師(みんなもぜひ相談にいこう!)にお願いしていたので、自分が一からやることはありませんでした。

それが今では約2億人分の患者データを統計解析するという、ちょっと自分でも何言っているかわからない規模のことをやっています。

 

各国からはエクセルデータで提供されるのですが、そんな膨大なデータをエクセルで読み込もうとすると当然フリーズしたり全部読み込めなかったりします。

そこで登場するのが、世界的に使用されている統計ソフトのRです。

日本にいるときからJMPというソフトを使っていましたが、こちらで使っている人は一人もおらず、

そもそもRはソフトの使い方を知ったうえで統計手法を学ぶというより、コードと呼ばれる文字や数式を自分で組み立ててデータを整理(clean data化)するところから始まります。

2群間でもひーひー言っていた自分が12か国なんて…はい、白目むきながらやっています。

実際に使用しているRの画面がこちら。

データなどを提示するわけにはいかないので詳細は伏せますが、エンジニアっていう仕事はこういうことをやっているのかと毎日思いながら細かい文字や数式の列と格闘しています!

唯一の救いはほんとにちょびっとだけ日本語が含まれているところ。数式の一つ一つは正直何言っているかわからんことも多い、、、

 

研究者の仕事は何もデータ整理だけではなくて、Grant、日本でいう科研費などの競争資金への申込も必要になってきます。

うちの研究チームも含めて、そこからの資金が給与などにつながってくる場合が多いので、チーム全体で企画書の作成をしていきます。

カナダ国内では、日本と同様たくさんの資金獲得の機会があり、大きな額のものから小さいものまで、自分たちの研究に合いそうなものをピックアップして挑戦します。

ただ、特にNationalクラスなどの大きな競争資金は、昨今の隣国の政策転換から大きく財源が削減され、その機会が少なくなっていて、採択率は〜10%とかなり厳しいです。

こちらは日本の科研費に該当するResearch Netのページ。

 

カナダや米国から提供される競争的資金一覧が提示されています。

例えば今挑戦しているのは、こちらのGrant。

1年の間になんどかその機会が提供され、数多くの研究者が申し込みをしてきます。

 

こっちに来てから3回申請に携わりました。

最初の1回は資金自体がpending、次は残念ながら落選。

そして今はレビュワーからのコメントを反映して3回目に挑戦しているところです。

INTRePID各国のエキスパートたちからもアドバイスを受けてかなりの完成度にはなっていますが、現実はなかなか厳しいですね…。

 

個人的なスキル面で言うと…リスニング、スピーキング、リーディングはそれなりにいけるのですが、ライティングがどうも苦手。

業務は主にオンラインミーティングで行われますが、画面上で「'describe'って書いて」と言われても「えっとー… deskli…」と打ってしまい、「違う違う、D・E・S・C・R・I・V・Eだよ」と指摘されることが何度もあります。

しまいには「チャットに書くからもういいよ」なんてことも…。

齢40にしてスペルの書き方から指導されるとは。しかしそこはカナダ。

母国語が英語でない人が多い職場なので、苦労を理解してくれるのか最後まで付き合ってくれるのです。ありがとう、Javier、Carla、そしてAngela。