General道場 「福井厚生病院ストレスケア科その2」活動報告 2025.12.17

総合診療部専攻医5年目の久野哲弥(ひさのてつや)です。

今回も福井厚生病院ストレスケア科研修についてお話しますね。

 

今回のテーマはリエゾン精神医学です。

リエゾンとは「橋渡し/連携」という意味を持つフランス語であり、

特に精神科領域においては感染症や骨折などで他科に入院中の患者に対して、精神科が他科と連携し精神面のケアを行う【リエゾン精神医学】と呼びます。

 

福井厚生病院ストレスケア科の研修でもリエゾン医学の症例を経験することが多く、

入院後の不安や気分の落ち込み、術後不眠やせん妄、認知症の行動・心理症状(BPSD)などを指導医とともに診察しています。

 

基礎疾患や治療経過、生活背景などを踏まえた診療が求められ、単に診断や薬物療法を行うだけでは解決しない症例も経験することができました。

また主治医や看護師と情報を共有し、退院後の生活や通院の調整や家族支援などの介入を行うなどの「その後」を見据えた診療の肝要さを再認識しました。

 

治療しながらその先を見据えるのはプライマリ・ケア医が得意とする視点ですね!

 

GGGの研修では外来通院患者の対応だけでなく、精神科入院患者への対応やリエゾン精神医学も学ぶことができ、

精神科医が病院内で診療の質向上に果たす大きな役割を学ぶことができました。

 

施設や個人宅への訪問診療でも今回得た視点・技術・知識を少しでも生かせるといいな、と思います。

今回はこれにて。次回でストレスケア科研修のお話は最後です。