General道場 「福井厚生病院」での活動報告 2025.06.19
精神科研修 2か月目 活動報告
総合診療部専攻医4年目の青木拓耶です。現在、精神科での3か月間の研修を行っており、2か月目を終えようとしています。
研修では、引き続き紹介初診や通院中断後の再初診患者の対応を行い、入院患者に関しては指導医の下、診療や治療計画立案に携わっています。
診療を通して、精神症状の評価や治療のみにとどまらず、患者の生活背景や社会的側面に深く関わる必要性を感じるようになりました。
今月は特に、多職種連携の重要性を強く実感する機会が多くありました。
日々の病棟業務の中で、看護師の方々は患者の変化をきめ細かく観察し、日常的な対話を通して患者の心理状態や家庭環境、これまでの病歴などの貴重な情報を把握されています。
また、入院中には認知行動療法などの非薬物的介入も実践されており、看護師が中心となって治療的環境が維持されていることを実感しました。
作業療法士による作業療法では、患者が手作業に集中し、目の前の課題をやり遂げるプロセスの中にその人の主体性や集中力、他者との関わり方がにじみ出ており、精神疾患の回復過程を見守るうえで非常に有意義な視点を学ばせていただいています。
また、臨床心理士は、カウンセリングや心理検査を通して患者の特性や病態の理解を深める支援を行ってくださっています。
加えて、認知行動療法やマインドフルネスといった非薬物的介入についてのレクチャーも行っていただき、医師としての対応の幅を広げる学びとなりました。
精神保健福祉士は、患者が社会生活を送る上で欠かせない存在です。
利用可能な社会資源の提案や、行政・地域との調整役を担い、退院後の生活基盤までを見据えた支援を行ってくださっています。
こうした支援は、医師一人では到底把握・実行しきれない領域であり、多職種がそれぞれの専門性を発揮することで、ようやく患者を全人的に支えることができるのだと実感しました。
精神科医療におけるチーム医療の重要性は、今後総合診療を担う立場としても非常に参考になるものであり、地域で精神的ケアを提供する際にも大きなヒントとなりました。
次回は、いよいよ研修のまとめとして、今回の学びが今後の医師人生にどう活きるのかを振り返って報告したいと思います。