9/27 福井レジデントキャンプ開催!医療MaaS実習を取り入れました 2025.09.29
毎年、教室講師の北野史浩先生にプロデュースしてもらっている「レジデントキャンプ」。
今年は医療MaaS実習を取り入れてみました。
移動診察車両の看護師と患者さんに、病院もしくは診療所の医師がオンライン診療を行うのが医療MaaSのスタイルです。
実習では初期研修医が医師役、医学生が患者役と看護師役になります。実習は3つのシナリオのうち1つをこなします。
患者役の学生にはA4一枚の病歴と症状シートが渡されます。あとは想像で病人になり切ってもらいます。
医師は自分で触診はできないので、すべて看護師役の学生に指示を出し、結果を聞き出します。
看護師役の学生には「ひたすらポンコツで」と伝えてあるので、医師役のハードルは高いです。
各ブースにはベテランの検査技師さんを配置し、腹部エコーを担当してもらいました。
実際の現場では移動車両側の看護師さんが車両内でエコーをしますが、今回は時間の関係でプロにお願いしました。
ただ、「ポンコツでお願いします」と頼みました。
13時からミッションスタート。初期研修医達は食後の眠気も吹っ飛んだ様子でした。
「看護師さん!、腹部を9分割して、一箇所ずつ順番に押して下さい。」
「押した時と緩めた時で、痛みは違いませんか?」
「眼瞼結膜に黄染はありませんか。」
「背中の…、ちょっと下、あっ、もうちょっと下、そこ!、そこをゲンコツで優しく叩いて!」
普段なら医師自身がやることを看護師さんに代わってお願いしなければならず、指導力が問われます。
全員がシナリオの正答に辿り着きましたが、初期研修医にも学生にもインパクトはあったようです。眼の色が違いました。
福井県内でも周辺人口が2千人を切った診療所が増えています。
2千人を切ると診療所の経営は苦しくなるので、このまま(人口減少が進む)では無医地区は増加します。
今現在、医療MaaSは機器の費用が高く、ランニングコストに見合うだけの診療報酬もありません。
非対面のリスクを懸念する声もあります。まだまだ批判の多い手法です。
でも批判ばかりしていても無医地区は救われません。
また医療MaaSは黒船になる可能性を秘めています。制度が急に変わり、都市部の医療グループが地方に押し寄せるかも知れません。
あるいは、地方こそ黒船になるべきかも知れませんが…。自分は単純に、若手達のアイデアに委ねたいと思います。
講義もシナリオも担当してもらった北野先生。ありがとうございました。素晴らしい実習でした!