General道場 「福井勝山総合病院 産婦人科研修」活動報告(1か月目) 2025.08.18

総合診療専攻医4年目の青木拓耶です。

7月より、福井勝山総合病院 産婦人科での研修を開始しました。

私は現在、総合診療専門研修に加えて、家庭医療専門研修も並行して行っています。

その研修経験目標の中には、女性性器の身体診察や子宮頸部スメアの実施、女性ホルモン製剤の適切な処方、さらに女性特有の訴えや妊婦の症状への対応などが含まれており、総合診療・家庭医療の現場においても必要とされる知識と技能です。

 

これまでの地域医療や時間外診療の経験からも、婦人科にすぐアクセスできない状況下で、外来・在宅を問わず婦人科的な診療を求められる機会が少なからずありました。

しかし、日常診療の中では女性性器に関する診察や婦人科的検査を実際に行う機会は限られており、今回の研修を通じて系統的に学び直したいと考え、産婦人科での研修を希望しました。

勝山病院のある奥越地域では、婦人科診療を担う医療機関が限られており、当院には広い地域から患者が集まります。

外来では妊婦健診や子宮がん検診はもちろんのこと、更年期障害、月経異常、不妊症、性感染症、性別マイノリティの方など、多様な背景を持つ女性が受診しており、まさに“女性総合外来”としての機能を果たしていると感じています。

診療では、性器というプライベートな部位に対する身体診察もあるため、患者への十分な説明と心理的配慮が求められます。

また、個々の患者の性自認・ライフスタイル・社会背景を尊重する姿勢が強く問われることを実感しました。

 

これらの視点は、まさに総合診療や家庭医療の実践においても不可欠なものであると感じています。

引き続き、産婦人科の診療を通して、身体診察・検査手技・薬物治療の基本を確実に身につけるとともに、患者に寄り添う姿勢を大切にしながら研鑽を積んでいきたいと思います。